ショートフェンダーレビュー①

疾走器官ショートフェンダーのモニターになって頂いた方からレビューを頂きました。
デザインを気に入られてのご購入でしたが、機能的にもご満足頂いているそうで嬉しいです。
モニター画像1
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東京都八王子市 M様(仮称)

   
取付は純正フェンダーを外して周囲を清掃する時間も含めて30分あればできました。
付属のナイロンワッシャーはビス径にマッチしているので無くす心配は少なくなります。

ショートフェンダーとヘッドライトカバーの間に若干隙間が出来ますが気になる方は市販の黒スポンジ(ウレタン)を間に挟み込めば見えなくなります。
私のXT250Xは取付後しばらくはアイドリング時にビビリ音が発生していましたが1ヶ月程使用すると馴染んだみたいでビビリは発生しなくなりました。
これもウレタンで隙間を埋めれば対処できると思います。

走行に関しては120キロまで出してもハンドルのブレは発生しませんでした。
(車体の個体差はあると思います)
風切り音の変化も純正と比べて気になる事もありませんでした。
ブレーキング時のノーズダイブが軽くなった気がしますしシャープな感じでコーナーへのアプローチは取り易くなった気がします。

デザインが気に入ったから購入したわけですがフェンダーからテールまで綺麗に流れるスタイルに惚れています。
よくありがちなモタード仕様の汎用のフェンダーとは違いXT250Xとセロー250専用にデザインされているので後付けの感じが全くしないのが取付後に納得できます。

FRPの品質も社外カウルの様な安っぽさは感じられず、高水準の仕上がりに驚かされました。

取り付けた上でキャリアを外してみると改めてXT250Xのデザインの良さに惚れる事ができます。

写真
モニター画像2 モニター画像3 モニター画像6 モニター画像7 モニター画像8

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M様にはリアフェンダー上面に貼るデカールも装着頂いています。
黒車に黒カーボン調のデカールは艶の有無によるトーンの違いが効いてカッコいいです。傷んだリアフェンダー天面へのリフレッシュに是非使って頂きたいです。

モニター画像4モニター画像5

これを機会にショートフェンダーとキャリアレスでXTX本来のシルエットを楽しんでくれる人が増えると嬉しいですね。
街中にカッコいいXTXが一台でも多くなりますように。。

M様、どうもありがとうございました!!

別車種も始めます。

XT250X & Serow250に続き、WR250Xと個人的に好きなカワサキ用のものも造り始めます。
取り付け位置も寸法も車体デザインの方向性も違うので今の疾走器官フェンダーそのままのデザインというわけにはいきませんが、同じようにセクシーでダイナミックな造形のショートフェンダーにしますのでご期待ください。

参考用フェンダー

ショートフェンダー製作記その15

型の完成を書いてからまたしばらく開いてしまいました。。
その他の部品もちょこちょこ作ったりとモチベーション上がり中です。

フェンダー装着①
この2本目の試作は形状が判りやすいようにシルバーにペイントしてみました。
私自身はペイントの経験があまりないのでガルクラフトさんに手伝ってもらいつつ、垂らしちゃったクリアをペーパー→コンパウンドで修正しつつ。。
車体に装着するとなかなか良い感じです。
求めていた生き物っぽさというか、人間の身体の一部としてのマシンの表情にちょっと近づけたような気がします。ちょっとだけですが。。

 

フェンダー装着②
外に出して自然光でも見てみます。
最初の試作に比べてタンクトップを頂点としてフェンダー全体にシュッと降りる流れが強調されて前下がりで軽快なシルエットがよく見えるようになりましたよ!フッフッフ。。

 

フェンダー装着③
さて、一方車体から外した最初の試作は我らがセローマスターのもとでオフロードテストに供されることになりました。
マスターのセローは車高ダウンしてありますが、停止状態でサスをストロークさせたぐらいではフェンダーとの接触はありませんでした。ただし、跳んだり跳ねたりした場合にはその限りではないそうで、マスター曰くクリアランスを潤沢に取ったノーマルフェンダーでも接触する場合があるそうなので、セロー250にこのフェンダーを装着した状態で激しいオフ走行は避けた方がよさそうです。

 

フェンダー装着④
ちなみに、セローマスターのテールランプはXT250Xのものに換装してあります。
配線などがあるのでポンづけとまではいきませんが、フレームの基本は同じなので金属加工などのハードな加工は無でも装着可能です。
かつて自分がデザインした部品をこうやってわざわざ手間をかけて使ってもらえるのはとても嬉しいです。

 

話は戻ってフェンダーですが、いろいろな角度から撮った写真をアップします。
もうすぐ少量ずつ販売を始めようと準備しているので、お気に召した方がおられましたらお気軽にお問い合わせください。(といいつつ、まだ連絡先準備中。。)
フェンダー装着写真8
フェンダー装着写真7 フェンダー装着写真6 フェンダー装着写真5 フェンダー装着写真4 フェンダー装着写真3 フェンダー装着写真2 フェンダー装着写真1

ショートフェンダー製作記その14

さて、ちょっと間が空いていしまいましたが作業は順調に進んでいます。


硬化したら型から試作品を取り外します。
最初の試作の時と違ってしっかりと型を磨いてあるのですぐに外れました。

 

 


さっと周囲をカットしたら車体に仮装着してトリムラインを決めます。
ぐるぐると、あちらこちらの方向から見て一番カッコよくなるようなラインを。。

結果、最初の試作よりも持ち上がった後に前下がりになるようにしました。
これは車体全体のアグレッシブな動きをより一層補強する役割を持たせるためです。
同時にフェンダー先端の穴を取り巻くような有機的な表情も出てきます。

 


サンダーで粗取りし、荒目のペーパーで正確に位置を決めます。
削ったファイバーと樹脂の粉にまみれて地肌がチクチクしますが、それがだんだん気持ちよくなってきます。。

 


トリム完了です。
完成した感があり、ちょっと嬉しい。

 


それを再度車体に装着して確認します。
またまた色々な角度から見て微調整していきます。

 


いい感じになったら試作品を雌型の中にはめ込んで罫書き線を入れます。
変なところを傷つけないか、ちょっと緊張。。

 


無事に前周に入れ終わったことを確認します。
これで雌型の完成です!

 


アップにするとこんな感じでトリムラインが入っています。

 

というわけで、雌型完成です。
やったー!

 

ショートフェンダー製作記その13

さぁ、翌日ゲルコートの硬化を確認したらファイバーを貼りこみます。


グラスファイバー自体を貼る前に樹脂パテを塗ってくっつきやすくします。
角の部分など、ついつい大目に盛りたくなりますが成形品の表面に出てくるのでがまん、、、しきれなかったところもあります(苦笑


いよいよそれらしい風景です。
ファーバーを敷き、ローラーで樹脂を含浸させていきます。
貼った所は中に気泡が残らないように脱泡ローラーで地道に空気を抜いていきます。
でも、あまりいじりすぎると下のゲルコートが薄くなるので注意。。
手が遅いのでポリエステル樹脂の硬化が始まるまでにできるか緊張しながらの作業です。ファイバーの取り方や方向、サイズなど慣れてくればもう少し効率が上がりそうです。ベテランの方はその辺りの組み立てからして別次元ですね!


こうして無事に貼り終わりました。
固まり始めは早いですが完全硬化には時間がかかるので翌日までそっと置いておきます。

 

もちろん使用した道具類は固まる前にアセトンでジャブジャブ洗いました。
当たり前だけれど、ほんとによく落ちるんですね~。

ショートフェンダー製作記その12

さて、先回磨いた雌型から改めてもう一本、試作を取ります。


型にワックス状の離型剤を塗り込んでいきます。
ぐいぐいと押し込むように。


そして、一面に塗りました。
五分ほど待ちます。


そして、乾いた布でふき取ります。
しっかりと、引っかかるような感じが無くなるように。

形状が複雑なのと手が遅いのとで一回の塗り→拭きに15分ほどかかります。
これを5~6回繰り返していきます。
一時間以上かかるのでなかなか手間ですね。


完了するとなかなか綺麗な光沢感に仕上がります。

 


まだ型と試作が固着して外せなくなる恐れがあるので更に水溶性の離型剤で膜を作ります。薄い皮膜ではありますが、ムラができてしまうと成型物の表面もその通りの形に仕上がるので丁寧に。。


そして、離型剤がしっかりと乾燥したら型の表面にゲルコートを塗ります。
事情により今回もハケ塗りです。
丁寧に作業したつもりでも上手い人にはなかなかかないませんね。。

 

硬化するまで一晩待ちます。

ショートフェンダー製作記その11

さて、前回からすこし間があいてしまいましたが製品を発売できるようすこしづつ進んでいます。


まず、ゲルコートの欠けてしまった部分をタッチアップ。
固まるまで一日おいておきます。

 


次の作業日、固まっていることが確認できたらペーパーで水研ぎしていきます。
もうすっかり水が冷たい季節になってしまいましたね。。
今回は形状が複雑だったのもあって離形に使った二種類の材料のうちポリビニール系のものの筋が結構残ってしまったので、荒目に240番から始めます。

表面が滑らかになるまでゴシゴシ、次は600番とだんだん細かくしていきます。
日が暮れるまでゴシゴシ。


さらに細かい番手のもので研磨していきます。
スポンジにビニール状のヤスリを貼り付けて使うものを使います。
これも荒いものから細かいものへ順番に。。

 


そして、水研ぎの段階が済んだらコンパウンドをかけます。
これも荒い目のものと細かい目のものとを順番に。。
ここまで細かくした段階で今まで気が付かなかった磨き傷に気が付くこともあり、その部分はペーパーの段階に戻ります。
行きつ戻りつ。。
ときどきちょっとイラっとしたり(笑


そうしてようやく光沢のある型面に辿り着きました。
ただ、しっかり厳密に見ていくとまだ多少の粗があります。
そこは今回の製品が主に塗装用のベースとして販売する予定なので良しとします。
(ゲルコートの肌のままでは今回の形状の美しさがあまり出せませんので。。)

世間のFRP製品では黒ゲル仕上げでも鏡面みたいにピカピカのものとかありますけど、あれはとても丁寧に時間をかけて磨きこんであるんですね~。
型から抜いてトリミングした後にも研磨している物もあるとか。
改めてやってみてわかる事は沢山ありますけど、どれもコツコツとした努力の積み重ねで成立してるんですね。知れば知るほど諸先輩方には本当に頭が下がります。
 

 

 

 

ショートフェンダー製作記その10

今回は別件の都合で急がなければならなかったので多少表面が荒れていてもとりあえず黒くして車体に装着して雰囲気を確認することにしました。黒とクリアは不慣れな自分がやっては間に合わないのでガルクラフトさんが吹いてくれました。始終お世話になっております。

乾燥を待って翌日、ついに装着しました。

これは、我ながらなかなかのカッコよさ(自画自賛) ショートフェンダーの短さが効いてXT250Xの軽快さや引き締まったプロポーションが活きてきたように見えます。タイヤが小さくなったんだからフェンダーも小さくなるべきなんですよね。(泥はね要件的には逆の相関関係なんですが。。)

走らせてみての感想ですが、プラセボ効果なのか高速道路での車線変更などがすいぶん軽くなったように感じます。全体の重さもさることながら風を受けやすい長い部材が無くなって穴まで開いている事が効いているのかもしれません。そのぶん泥はねはスルーしますので悪しからず。。フェンダーみたいな形状をしたエアロパーツだと考えると素直かもしれませんね。。

何人か友人に見てもらっても概ね好評。上面の凸から緩やかなネガ面につながるところの表情をセクシーだと言ってもらえて私は上機嫌です(笑 苦労が吹き飛ぶ瞬間ですよね。

まだこれはテストで抜いた一本目の試作品なので、型をきちんと仕上げて量産に備えたいと思います。まだまだやる事は続きます。

 

ショートフェンダー製作記その9

樹脂が固まるのを待って型から外そうとしましたが案外手強く、固着した部分があるようでした。またまたガルクラフトさんと二人でヘラを差し込んだりたわませたり試行錯誤してようやく外せました。

一部型の弱かった部分が固着していたようで成形品表面に破片が一体化していました。後日型を仕上げる際に樹脂を盛って修正する予定です。成形品表面の状態から型の表面の具合も良く解りました。

これをざっくりとトリミングし、車体に装着しました。そして車載状態で最終的にカッコよく見える位置にカットするラインを決めていきました。成形品を車体から外し、そのラインに合わせてカットしたのち凹んだ箇所をパテで成型し、荒れている部分をペーパーで整えて塗装に備えます。

ショートフェンダー製作記その8

ガルクラフトさんと二人であっちを引っ張りこっちを差し込みカンカンしながら無事に離型することができました。併用している水溶性離型剤の目が全体に残っていたりしましたが修正で何とかなる範囲で済んでホッとしました。

そして、型をきれいにしたら早速一本取ってみることにしました。

まぁ、早く装着した姿を見てみたいというのもありますが、貼り具合やどの部分がどのぐらい荒れているのかなどをチェックする目的もあります。まぁ前者の目的の方が圧倒的に強いのですが(笑

離形処理をしたのちゲルコートを塗布して乾燥させます。良い具合になったら型の時と同じように樹脂パテを塗り、ガラスマットを配置して樹脂を含浸させていきます。自分で造っておいてなんですが、囲われた細かい角が多くて脱泡にはなかなか手間取りました。ちょっと慣れが必要そうですね。