汎用エアロスクリーン開発記7

なかなか造る時間が取れずに止まったままだったスクリーンですが
モビテック様のEV-01も落ち着き、少し余裕が出たのでようやく開発を再開しています。

一昨年のままだった3Dデータを何日かかけてもう少しいじって手直し。
着手こそできなかったけれど、色々とアイディアもふくらんでいたのです。
エアロスクリーン3D
試しに一度立体にしてみることにしました。

ちょうど別件で知人がつくっているrep-creatorという3Dプリンタを借りているので
それのテストを兼ねてウィンウィンいわせました。
3D出力中

出力可能サイズが200x200x180でどの部分もごっそりはみ出るので
本体を3っつにクリア部分を2つに割っての出力です。
フカヒレっぽい何かがいくつかできました。
3D出力

この3DプリンタはFDM方式なので出力品にはサポート材がついています。
これで下から支えることでオーバーハングした形状をつくれるのです。
サポート材をバリバリはがすとデータ通りの形状が出てきます。
サポート材はがし サポート材はがし サポート材はがし

つづく。。

 

くろかわ

汎用エアロスクリーン開発記6

さて、先回までのイカデビルみたいな状態で1000km程走り、面積的には十分と感じたので造形のトライをしていきます。

イメージは「金剛力士像にまとわりつく飛行機」。。

金剛力士というのはおなじみのこの人です。(画像はネットの拾いものです)
汎用スクリーン開発記6-1

このバスタオル状に纏った羽衣のような軽やかにしてサポート感のある印象が欲しいのです。羽衣が何の機能があるのかは正直良く知りませんが、身体と道具のビジュアル的な関係性としては抜群にカッコいいポジションだと思います。
これに並ぶのは雷神様の背中の太鼓ぐらいのものでしょう。。

 

ということで、そういうイメージを抱きつつカットするラインを探ります。
汎用スクリーン開発記6-2

 

そして、その間に真ん中のクリア部分用にもう一つ部材を成型しておきます。
先日の捨て型がここでも活躍しました。
汎用スクリーン開発記6-3

 

決めたラインでカットして再度車体に装着してみます。
汎用スクリーン開発記6-4

 

もうちょっと立体感が欲しいですが、素性はなかなか悪くないです。

 

ということでいずれクリアになる部分も装着した全体像を見てみます。
汎用スクリーン開発記6-5

こちらはやっぱりボリューム感による違和感がかなり残ります。
実際には真ん中の部材は透明なので横方向に伸びる部材だけがボリュームを感じさせるはずですから、機能的に見えると思うのですが。。

 

ということで少しでも印象を最終状態に近づけるべく、手持ちのカーボン調シートを貼って雰囲気を見てみることにしました。
汎用スクリーン開発記6-6

 
なかなか悪くないじゃないですか~!!

汎用エアロスクリーン開発記5

翌日、試作品を捨て型から外します。

わりと綺麗に外れてくれてホッとしました。
形状に合わせてトリムラインを引きます。
汎用エアロスクリーン開発記5-1

 

それをいつも通りに粉まみれになりつつグラインダーでカットしてニヤニヤ。。
早速ネジ穴を開けて汎用ステーを使って車体に取り付けました。
汎用スクリーン製作記5-2

 

ご覧のとおり、頭にイカが付いたような感じで凄い違和感です!
しかし、製品ページのサムネイルの状態にあるような構成を狙ってボリューム感を検討するにはこれぐらいで丁度良かったです。
この状態で(引き続きすれ違うバイク乗り達から怪訝な顔をされながら)東名を含む1000kmほどを走って効き具合を確認しました。

私の体型でスクリーンがこの位置だと、法定速度ジャストでの高速巡航中の風が顎のあたりに来ます。スクリーン無しの時に革ジャケットのファスナーから冷たい風が入って来ていたのが無くなったので真冬の高速がずいぶん楽になりました。

それと、高速での直進時は前面で受ける風圧がフロントを押さえる方向に荷重を掛けているようで若干フロントの落ち着きが増して外乱でハンドルが振られた時の収束も早くなりました。
ただ、この辺りはスクリーンをどの位置に置くかと乗車位置&体型、車両個体差もあると思うので引き続き様子をみていきます。

汎用エアロスクリーン開発記4

簡易マスターをアルミテープでグルグルにできたところで捨て型をとります。

表面の精度が低いものを一、二枚取るだけなので離型剤を塗り込んだらゲルコート無しで樹脂パテを塗布し、ガラスマットを貼って樹脂を染み込ませていきます。
汎用スクリーン開発記4-1
切れ端のようなものを組み合わせながら2枚相当の貼り込みを行いました。
シンプルな形状なので私でもそれほど時間はかかりません。
汎用スクリーン開発記4-2

 
そして、硬化するのを待って翌日。。。

 

べりべりと剥がすと捨て型の完成です!
汎用スクリーン製作記4-3

 

一刻も早く実走してみたかったので早速一枚成型することにしました。
離型剤をしっかりと5回塗り込みます。
汎用スクリーン開発記4-4
それから再び積層。
硬化するのを待って続きは翌日の作業に。
汎用スクリーン開発記4-5

汎用エアロスクリーン開発記3

スクリーンの開発記、そのさん。

先回までのところで大まかな形状をスタイロフォームで作ったのですが、そのまま樹脂を塗るとスタイロが溶けて無くなってしまうのでアルミテープを表面に貼ってカバーします。

アルミテープは鈑金屋さんもよく使っているのを見ますね。
若干ふくらみを増やしたくなった部分はクレイを盛りつけて整形してあります。
スクリーン開発記3-1
そして更に、真ん中の膨らみと左右の翼部分をつなぐ大きなネガRもクレイで作ります。自由度が高くつなぎ目にも段差ができないのでいいですね。
スクリーン開発記3-2

 

この状態で車体に重ねて確認。
でも正直よく解りません。。
スクリーン開発記3-3

 

さらにクレイ部分に貼り込んで全体をアルミテープで覆いました。
染み込んでくるような隙間が無いようにかなりしっかりと覆ってあります。
これで、樹脂を塗っても大丈夫!
スクリーン開発記3-4

汎用エアロスクリーン開発記2

スクリーン、骨格編の続きです。

サイズ感に問題ないことがわかったらボリュームの検討に入ります。
ホームセンターでも売ってるスタイロフォームという発泡材を切り出します。
厚みが一定の板材なので輪切りにした断面をつないで形を造るのが楽なのです。
一方、発泡スチロール同様に溶剤に弱いので型取りの際には覆うような処置が必要です。
スクリーン開発記2-1

 

そして、ざっくりと断面形状にトリムしてつなぎ合わせます。
そこからヤスリで削って面の傾向を造っていくのですが、ちょっと失敗して色々やり直しているうちに削り出し作業になってきました。。粉まみれに。。
スクリーン開発記2-2

 

時々車体に合わせてみます。
でもこういうものはピタっと寄り添った状態じゃないとなかなか判断つきませんね~。
スクリーン開発記2-3

 

そして、削ったり嵩増ししたりしながら、凸側の面傾向が概ねできました。
でもちょっとセンターの盛り上がりが足りないかもしれません。
スクリーン開発記2-4

汎用エアロスクリーン開発記1

現在、フロントフェンダーに続いていくつかのアイテムを開発しています。
その中でも一番進んでいるエアロスクリーンの開発記を書いていきます。

さて、まずは造り始めた動機ですが「晩秋に入ってバイクに乗るのが寒くなったから」という非常に個人的な理由です。オフ車やモタルドは吹きっさらしですからねぇ。。

そして次に、カッコいいのに防風効果が高いアディショナルのスクリーンという課題にチャレンジしてみたくなったこと。いろいろなメーカーから多種多様な着き方の物が出てますが、生産性の高そうな形状の物が多くて好みの形状が無い、ならば自分で造るかという感じです。

こういうものを考える時にはステーという厄介なものもこしらえなければなりませんが、今の時代、優れた汎用部品があるものでMRA社からいい感じの汎用ステーがでてるんですね~。

ということでそれを購入し、とりあえずサイズ感を見るためにFRP板を切り出して装着します。飛行機みたいなスクリーンにしたいのでマウント部分を翼状に張り出させるシルエットです。
スクリーン開発記1-1

 

車体全体で見るとこんな感じ。
サイズ的にこれくらいはあった方がいいですが、圧倒的な違和感です。。
スクリーン開発記1-2

この状態でしばらく走り回って大雑把な防風効果やハンドリングへの影響を確認しました。すれ違うライダーにガン見されるのでなかなか恥ずかしかったですが、平らな板の状態でもそこそこの効果がある事を確認できました。