株式会社FOMMによる小型電気自動車ConceptOne
超小型モビリティのサイズに大人4人を乗車可能にした新世代の小型電気自動車です。対水害機能を持っており、緊急時には24時間水に浮かぶことができます。
こちらは普段はフリーのわたくし黒川が株式会社ミニモにジョインしてデザインチームとしてのお仕事です。
さて、ミニモ社の江本氏とFOMM社の鶴巻氏は旧知の仲であり共にスズキからキャリアをスタートさせ、トヨタ車体だったりシムドライブだったり今までは二輪も四輪も網羅したそれぞれの道でモビリティの未来を追い続けてきたわけですが、その今日までのところの集大成がこのConcept Oneです。
2014年2月19日に発表されました。(レスポンスさんの記事はこちら)
そんな熱いプロジェクトに参加できたことは私にとってもエキサイティングなものでした。
銀座時事通信ホールでの江本氏によるデザインプレゼンテーションはこちらの記事。
・名実ともに「カプセル」を表現したボディ
・四輪車のマスダイナミズムと二輪車のエレメンタリズムの融合
・ペダルを排したフルハンドコントロールにして高密度化したパッケージング
かなり正確に記事にしていただいているので今更追記することも少ないのですが、
せっかくなのでディテールに加えた遊び心の部分をお伝えしようと思います。
この車は事業としても車両としてもかなりユニークなチャレンジなのですが
機能面で「対水害機能」の部分は従来の内燃機関自動車では難しかった部分なので
骨格部分だけでなくディテールにも取り込んでいきたいと思っていました。
さらに、ConceptOneはFOMM社、大同工業、日本特殊陶業との共同開発であり、
他にもさまざまな人や企業がかかわりあうつながりの中から生まれています。
そんなこんなをいろいろとグルグルしながら、、、やっぱり「水」と「つながり」をモチーフとして表現したいなと思い「響きあう水紋」というイメージを考えました。
そしてデザインの後半戦、それを車体の各所に埋め込んでいきました。
例えばインパネの上面には簡易クーラーの送風塔が生えていますが、その周囲を囲むように水紋の形になっています。この形状は剛性を出すリブの役割も担っています。
他にも各所に水紋のモチーフや水滴がつながる様子が取り入れてあります。
この車はまだプロトタイプですが、たった一年でここまでの物を造り上げてしまった鶴巻氏の手腕と情熱は素晴らしいと思います。
これから2015年にタイで生産、販売を開始するために沢山のハードルがあるでしょうが
デザインチームもこの車がもたらす価値をよりたくさんの方に届けられるよう尽力して参ります。
くろかわ