愛知県のプロスタッフ様が開発したEVの3輪タクシーです。
ミニマムなフットプリントに1人のドライバーと6人の乗客が乗ることができます。
写真提供:株式会社MIRAI様
このペコロが市民の足として活躍しているのは東南アジアです。
フィリピンのセブ島を基点に現在ではラオスなどでも走っていて
充電ステーションとの扱いやすいコンビネーションが好評との事です。
この車は低公害車で現地雇用に貢献することを基本コンセプトに取り込んだ
現地生産モデルなので造型、材質、構成も、フィリピンで製造可能なデザインに
なるように色々な点を工夫してあります。
例えば乗り物のシルエットをかたちづくるのに大切なフロントの窓ガラス。
通常の車は3次曲面を持ったガラスを使いますがこの車は平面ガラスです。
平面ガラスを使いながらも全体のラウンドしたシルエットをつくるために
フロントガラスのある面は一段窪ませながら高い天井へとつなげていき、
その隣のヘッドライト上から天井へと続く柱をラウンドさせつつ寝かすことで
フロントからリアに向けてスムーズな流れをつくり、モダンな印象にしています。
アップライトな姿勢でオートバイスタイルの運転席や開放的な室内空間、
サイドにあるガラス無しの窓についても形状剛性を出しつつ雨の降りこみを
抑えるための開口部形状になっていたり、全ての部分が目的のために
合理的にデザインされています。
私は基本レイアウトからお手伝いし、モデリングは現地セブ島にておこなわれたので
ファイナルスケッチや外寸図面スケッチまでを担当しました。
現地では日本との感覚の違いからスケッチとは若干細部のチューニングの違う造型に
なっていますがその辺りは機能を満たしている限りにおいて現地の嗜好を優先しました。
なお、未来輪業 黒川がデザインを担当したEV三輪タクシーは
「低公害車の生産によって現地雇用に貢献する」という思想に共感してお受けした
このペコロだけであり、ペコロはプロスタッフ様が独力で開発したオリジナルの車両です。
他社の3輪タクシー等で黒川のデザインやペコロとの関連を語るものがあったとしてもそれらは誤った内容ですのでご注意ください。