ショートフェンダー製作記その14

さて、ちょっと間が空いていしまいましたが作業は順調に進んでいます。


硬化したら型から試作品を取り外します。
最初の試作の時と違ってしっかりと型を磨いてあるのですぐに外れました。

 

 


さっと周囲をカットしたら車体に仮装着してトリムラインを決めます。
ぐるぐると、あちらこちらの方向から見て一番カッコよくなるようなラインを。。

結果、最初の試作よりも持ち上がった後に前下がりになるようにしました。
これは車体全体のアグレッシブな動きをより一層補強する役割を持たせるためです。
同時にフェンダー先端の穴を取り巻くような有機的な表情も出てきます。

 


サンダーで粗取りし、荒目のペーパーで正確に位置を決めます。
削ったファイバーと樹脂の粉にまみれて地肌がチクチクしますが、それがだんだん気持ちよくなってきます。。

 


トリム完了です。
完成した感があり、ちょっと嬉しい。

 


それを再度車体に装着して確認します。
またまた色々な角度から見て微調整していきます。

 


いい感じになったら試作品を雌型の中にはめ込んで罫書き線を入れます。
変なところを傷つけないか、ちょっと緊張。。

 


無事に前周に入れ終わったことを確認します。
これで雌型の完成です!

 


アップにするとこんな感じでトリムラインが入っています。

 

というわけで、雌型完成です。
やったー!

 

電動バイクとオールドスクータ

 

 

今日は電動バイクメーカー株式会社テコの西下社長と一緒に原宿周りで調査をしてきました。西下社長は度を超えて真面目な人でむしろ面白いです。

だから自社開発の電動バイクも新聞配達で鍛えられた質実剛健なつくり。
かなり大容量のリチウム電池を積んでいるのでお店や住宅の非常用電源にできます。
基本が業務用なので当然値は張ります。 http://www.teco-world.com/

ちょっといっしょに面白いことしようとほんのり盛り上がっています。

まずはTeco × 未来輪業みたいな感じで
ちょっとずつちょっとずつ、次世代バイクに近づいていきたいです。
大手にはできない所から。

途中、古いシルバーピジョンを見つけてテコ車とパシャリ。
昔のバイクは知恵と工夫と勇気が判りやすい。
さあ、未来はどうつかまえる?

今日は突然の訪問にも関わらず丁寧なアドバイスをくださる方もいらっしゃって、ちょっとポカポカしました。感謝。

くろかわ

ショートフェンダー製作記その13

さぁ、翌日ゲルコートの硬化を確認したらファイバーを貼りこみます。


グラスファイバー自体を貼る前に樹脂パテを塗ってくっつきやすくします。
角の部分など、ついつい大目に盛りたくなりますが成形品の表面に出てくるのでがまん、、、しきれなかったところもあります(苦笑


いよいよそれらしい風景です。
ファーバーを敷き、ローラーで樹脂を含浸させていきます。
貼った所は中に気泡が残らないように脱泡ローラーで地道に空気を抜いていきます。
でも、あまりいじりすぎると下のゲルコートが薄くなるので注意。。
手が遅いのでポリエステル樹脂の硬化が始まるまでにできるか緊張しながらの作業です。ファイバーの取り方や方向、サイズなど慣れてくればもう少し効率が上がりそうです。ベテランの方はその辺りの組み立てからして別次元ですね!


こうして無事に貼り終わりました。
固まり始めは早いですが完全硬化には時間がかかるので翌日までそっと置いておきます。

 

もちろん使用した道具類は固まる前にアセトンでジャブジャブ洗いました。
当たり前だけれど、ほんとによく落ちるんですね~。

ショートフェンダー製作記その12

さて、先回磨いた雌型から改めてもう一本、試作を取ります。


型にワックス状の離型剤を塗り込んでいきます。
ぐいぐいと押し込むように。


そして、一面に塗りました。
五分ほど待ちます。


そして、乾いた布でふき取ります。
しっかりと、引っかかるような感じが無くなるように。

形状が複雑なのと手が遅いのとで一回の塗り→拭きに15分ほどかかります。
これを5~6回繰り返していきます。
一時間以上かかるのでなかなか手間ですね。


完了するとなかなか綺麗な光沢感に仕上がります。

 


まだ型と試作が固着して外せなくなる恐れがあるので更に水溶性の離型剤で膜を作ります。薄い皮膜ではありますが、ムラができてしまうと成型物の表面もその通りの形に仕上がるので丁寧に。。


そして、離型剤がしっかりと乾燥したら型の表面にゲルコートを塗ります。
事情により今回もハケ塗りです。
丁寧に作業したつもりでも上手い人にはなかなかかないませんね。。

 

硬化するまで一晩待ちます。

ショートフェンダー製作記その11

さて、前回からすこし間があいてしまいましたが製品を発売できるようすこしづつ進んでいます。


まず、ゲルコートの欠けてしまった部分をタッチアップ。
固まるまで一日おいておきます。

 


次の作業日、固まっていることが確認できたらペーパーで水研ぎしていきます。
もうすっかり水が冷たい季節になってしまいましたね。。
今回は形状が複雑だったのもあって離形に使った二種類の材料のうちポリビニール系のものの筋が結構残ってしまったので、荒目に240番から始めます。

表面が滑らかになるまでゴシゴシ、次は600番とだんだん細かくしていきます。
日が暮れるまでゴシゴシ。


さらに細かい番手のもので研磨していきます。
スポンジにビニール状のヤスリを貼り付けて使うものを使います。
これも荒いものから細かいものへ順番に。。

 


そして、水研ぎの段階が済んだらコンパウンドをかけます。
これも荒い目のものと細かい目のものとを順番に。。
ここまで細かくした段階で今まで気が付かなかった磨き傷に気が付くこともあり、その部分はペーパーの段階に戻ります。
行きつ戻りつ。。
ときどきちょっとイラっとしたり(笑


そうしてようやく光沢のある型面に辿り着きました。
ただ、しっかり厳密に見ていくとまだ多少の粗があります。
そこは今回の製品が主に塗装用のベースとして販売する予定なので良しとします。
(ゲルコートの肌のままでは今回の形状の美しさがあまり出せませんので。。)

世間のFRP製品では黒ゲル仕上げでも鏡面みたいにピカピカのものとかありますけど、あれはとても丁寧に時間をかけて磨きこんであるんですね~。
型から抜いてトリミングした後にも研磨している物もあるとか。
改めてやってみてわかる事は沢山ありますけど、どれもコツコツとした努力の積み重ねで成立してるんですね。知れば知るほど諸先輩方には本当に頭が下がります。
 

 

 

 

シェア自転車を試してきました

先日ちらっと載せたNITYという名古屋のシェア自転車実験。http://nity.jp/
ちょっと鶴舞線に乗る機会があったので鶴舞駅で降りて試してきました。

利用にはICカード「マナカ」が必要なのですが、しぶしぶ買いました。
一つの財布に入れっぱなしにできないので本当はICカードを増やしたくなかったのですが。。

 

さて、地下鉄鶴舞駅から地上に上がって周りを見渡すと、早速ありました。

黄色のイメージカラーがよく目立ちます。
社会実験という事でもっと簡素なものを想像していましたが、台数も場所もそれなりに使えそうな感じを受けます。

 

肝心のステーションは鶴舞図書館~イオン千種にかけて6か所あるようです。

利用するには事前にPCから仮会員登録をしておく必要があります。

 

端末に近づいて見てみます。

メッセ名古屋のブースで事前にレクチャーを受けていたのである程度の流れは知っていましたが現地に特に案内的なものは無く、まだ「知っている人」だけが使うための仕様だと感じました。
ICカードをタッチする箇所は左右に一個ずつあり、なかなか混乱させられます。
最初にカード情報を認識させるためのものが向かって右で、支払いが向かって左のようです。
この辺りは実験用なので仕方ないのかもしれませんね。
いずれ事業用になると改善されることでしょう。 

 

画面はこんな感じで手順に従って進みます。

向かって右側の読み取り部分にマナカをかざし、初回なので必要な情報を入れて本登録にしました。

 

そして、プランを選んで、、

今回は一回券200円です。

 

向かって左の読み取り部分が光ったらピピッとかざします。

これでマナカから引き落とされます。



次にストックされている自転車に向かいます。

使用されている自転車はエンブレムを見たところBS製のようでした。
会場にあったN字型のものではなくてちょっと残念。太目のタイヤに内装三段ギアの小径車でフロントに網カゴ、リアに長いキャリア、ハブダイナモから電気をとるLED式のヘッドライトを備えます。

 

ラック上面の読み取り部分にマナカをかざしてロック解除します。

 

 

センサーは非常に感度良く、自転車もスムーズに引き出せました。

周囲を15分あまり回ってきましたが、特に不満のない普通の自転車でした。欲を言えばタイヤの空気圧が少し低いかもしれません。ぺダリングが重く、ハンドルが鈍かったので。
乗ったついでに他に2か所のステーションを確認してきましたがどこも同じ設備でしたが見てきた3か所中では試した「JR鶴舞駅前街園」のストック台数が多くて他の二倍ほどでした。

 

そして、ラックにはめ込むようにして返却。

かちゃりという音と感触がするまで押し込めば勝手にロックしてくれます。
そして、青白い明かりが点いて完了のサイン。
特にマナカをかざしたり何か他の操作をする必要はありませんでした。

 

改めて車体をみてみると籠の下に何かついています。

タイラップで着いているところを見ると後から着けたもののようです。
もしかしたら個体識別用のタグの役割をしている物かもしれません。これのおかげで車体を返却しさえすれば他の返却手続きがいらないのだとしたら非常にありがたい金属片ですね。

 

さて、以上ちょこっと使ってみての使用記です。
いろいろ気になる点はあったものの、自分が単身赴任や長期出張など身軽な状態のままその地域で生活しなければならない場合には気になるサービスと言えそうです。その場合は公共交通が発達した都市部の事ですから利用料もどのぐらいになるのか、生活に合わせてシミュレーションする必要がありそうですね。

ここに書かれた内容は個人の主観に基づいた感想であり、疑問点やより詳細な内容を知りたい方は事業主体に確認してみてください。

メッセ名古屋2012に行ってきました。

今日は名古屋の金城ふ頭にあるポートメッセで行われているメッセ名古屋2012という非常に大きな異業種交流展示会に行ってきました。
名古屋で行われるものとしては大きな規模で中部~大阪近くまでのものづくり企業も見られ、ビッグサイトで行われるような見本市にも引けを取らない充実度でした。

さて、そこで今日目についたものを少々。

そのいち、ネジ加工の老舗、株式会社タカイコーポレーションが開発中の自転車。

カーボン製のフレームも興味深いですがチェーンの代わりにベルトドライブを採用すべく開発されているそうです。
ちなみにフェイスブックページもあります。
https://www.facebook.com/MINO.MIRAICLE (ログインなしで見られます)
全くのゼロから手探りでここまでたどり着いてこられたようで 担当の方のものづくりにかける情熱が刺さりました。

 

そのに、コミュニティサイクルの社会実験

このなかなかキュートな黄色の自転車はNITYというレンタサイクルのシステムの社会実験のために新作された車両だそうです。
http://opi-rina.chunichi.co.jp/topic/20121101-2.html
名古屋近郊の私鉄で使われているICカードの「マナカ」を利用してレンタルできます。
期間が11・1~12・16とそれほど長くないようですが、何はともあれこの実験をもとにパリのレンタル自転車みたいに地域に根付くサービスが生まれてくれたらうれしいですね。

 

そのさん、Tecoの電動バイク

真面目なものづくりで100%自社開発の電動バイクを販売している埼玉のTecoさん。
既に各地の新聞配達業務で使われていて、毎朝静かに走り回っています。
大容量のバッテリーを積んでいて非常時の電源としても使えるので、今回はそれを分かりやすく展示していました。

「せっかくの電動だからもう少し電動らしいグラフィックやロゴにしましょうよ」と言ってもそれよりも中身をもっともっと充実させていきたいと返ってくる職人気質。業務用なので値は張りますが、いい品ですよ。
http://www.teco-world.com/index.html (サイトも飾らず真面目!!)

 

というわけで、今日も乗り物だらけ。
ほんとは面白いものたくさんあったけど、またの機会に。。

サイクルモード2012にて

今日は幕張でやってるサイクルモードも見に行ったのですが、楽しげな熱気とリアルな汗に包まれた会場にはたくさんの魅力的なバイクがありました。
中でも一番好みだったのがこのウェルドワンhttp://www.weld-one.com/のチタンバイク。
ダウンチューブのカーブ部分を通常の曲げ加工ではなく高性能エンジンの排気管よろしく輪切りにした材料を溶接でつなぎ合わせて製作しています。
製作者の小西さんという方はもともとエンデューロやトライアルのライダーで自転車トライアルのフレーム製作から作品と呼べるような自転車造りをはじめたそうで、ついつい長く引きとめてお話を伺ってしまいました。
0からつくるものづくりに熱いスピリットを持った方で大変刺激を受けました。

ショートフェンダー製作記その10

今回は別件の都合で急がなければならなかったので多少表面が荒れていてもとりあえず黒くして車体に装着して雰囲気を確認することにしました。黒とクリアは不慣れな自分がやっては間に合わないのでガルクラフトさんが吹いてくれました。始終お世話になっております。

乾燥を待って翌日、ついに装着しました。

これは、我ながらなかなかのカッコよさ(自画自賛) ショートフェンダーの短さが効いてXT250Xの軽快さや引き締まったプロポーションが活きてきたように見えます。タイヤが小さくなったんだからフェンダーも小さくなるべきなんですよね。(泥はね要件的には逆の相関関係なんですが。。)

走らせてみての感想ですが、プラセボ効果なのか高速道路での車線変更などがすいぶん軽くなったように感じます。全体の重さもさることながら風を受けやすい長い部材が無くなって穴まで開いている事が効いているのかもしれません。そのぶん泥はねはスルーしますので悪しからず。。フェンダーみたいな形状をしたエアロパーツだと考えると素直かもしれませんね。。

何人か友人に見てもらっても概ね好評。上面の凸から緩やかなネガ面につながるところの表情をセクシーだと言ってもらえて私は上機嫌です(笑 苦労が吹き飛ぶ瞬間ですよね。

まだこれはテストで抜いた一本目の試作品なので、型をきちんと仕上げて量産に備えたいと思います。まだまだやる事は続きます。