だんだんとBMST 2016 (Bonneville Motorcycle Speed Trials) が近づいてきました。
そういえば完成車両の写真をUPしていなかったのでこちらに。
EV-01Aは一ヶ月にわたる船旅を終えて既に西海岸に着いています。
マルマスモーターサイクルラウンジ水谷さんのブログにはその旨と同時に
EV-01Aの詳細なスペックが載せてあり、特異なマシンの詳細を知ることができます。
本番であるBMST 2016 (Bonneville Motorcycle Speed Trials)は
8月27日(土)〜9月1日(木)にかけてアメリカ合衆国ユタ州にある
広大な塩の平原「ボンネビルソルトフラッツ」でおこなわれます。
多くの乗り物好きが憧れ、映画「世界最速のインディアン」の舞台にもなったボンネビルも
近年の気候変動などでコースコンディションが整わずレースが開催できない年もあり、
昨年はモビテックの皆さんも車両を現地まで持ち込みながらもレース中止に泣かされました。
しかし、今年2016年は割りと早い段階からコースコンディション良好になるだろうと
言われていたのでいくぶん安心して開発に臨むことができました。
今年は参加大会こそ違いますがカワサキの社内有志チームによるH2Rでのチャレンジや
マン島TTの英雄の一人ガイマーティンが操るトライアンフのストリームライナーによる
全てのモーターサイクルの頂点となる速度への挑戦も話題となっています。
H2Rは先日のトルコの橋の上でのメーター読み400km/hが記憶に新しいですが、
最大で8マイルの距離を使えるボンネビルならば実測で380km/h近くまで
いくんじゃないでしょうか。
ところでwikipediaを見るとボンネビルでは公式記録は取れないというような記述がありますが
ライダーの水谷さんはご自身のマシンでのAMAのレコードホルダーですし、EV-01AもFIMの
公式レコードでの世界最速のEVモーターサイクルを目指して臨んでいます。
さて、最後にEV-01Aの画像を何枚か貼っておきます。
アッパーカウルにゼッケンが入って引き締まりました。
この新型アッパーカウルは100% 3Dツールでデザインしたものですが、
このゼッケン塗り分けラインはラインテープを使って手で引いたものです。
赤い部分とゼッケンの境目のラインを膨らませるか反らせるか、
比率をどう扱うか匙加減一つで、場合によってはほんの1mm
移動させるだけでも形の持つ意味合いは変化します。
デザインの中でも性能に関係ある部分ではありませんが
誰よりも早いマシンは誰よりも美しくあるべきです。
「形態は機能に従う」という言葉は実は複雑なプロダクトには通用せず
造る者の強い意志こそが結果を産み出します。
その意思の現われとしてのカラー&グラフィックデザインを仕上げました。
黒川