ショートフェンダー製作記その7

型が歪んだり、破損しないようにするために木材で補強を入れました。本体を横切るように入れる場合も多いようですが、形状が引っ張られて製品表面の形に影響する事もあるそうなので今回は箱型に囲う事にしました。今後、製品を成型する時も作業しやすそうですしね。

必要な大きさに切った木材を木ねじで組み立て、型本体と同じ樹脂とガラス繊維でつないでいきます。木材の高さの半分ぐらいまでは覆ったでしょうか。しっかりと一体化できました。

そして翌日はみ出た周囲をトリミングして、あとはマスターを外すばかり。

離形のために念入りに下処理をしても型とマスターが一体化してしまう事故は起こりうるという話なのでちょっとびびってました。。。

ショートフェンダー製作記その6

さぁ、しばらく置いて適度な硬さになったゲルコートの上に樹脂を染み込ませながらガラスマットを積層していきます。

最初に目の細かいマットを貼っていき、その上から通常の荒さのガラスマットを貼りこんでいきました。何枚も積層するのでだんだんとボリュームも膨らんでいき、まるでミイラのよう。。

手際があまり良くないのでだんだん樹脂が硬化していき、焦ります。。なんとか固まる前までに必要な厚さに貼り終えました。

そして、補強の木材を装着できる硬さになるまで待ちます。

ショートフェンダー製作記その5

細目のペーパーからコンパウンドに移り、ピカピカに磨いていきます。これは地味に時間がかかるとはいえ目に見えて成果があるのでなかなか楽しい作業ですが、やっぱり地肌が見えている部分は艶がでるわけではないのでやはり不安も。。

磨き終えたら数回にわたって離型剤を塗りこんで表面に膜を作ります。これでこれから塗布するゲルコートとマスターが一体化してしまうのを防ぎます。

そして、型用のゲルコートを表面に塗布していきます。本来は均一に塗るためにガンで行うのだそうですが、今回はハケにて。。

ショートフェンダー製作記その4

サフの上に黒を吹いてもらったので表面を砥いでいきます。

この黒が無くなれば表面は滑らかになってより細い番手のペーパー→コンパウンドに移っていけるというわけです。

しかし、サフがヘタクソだったために黒が見えなくなるまで追っていくと下地が見えてくる箇所がたくさん。。反省です。

とはいえ凹凸があるわけではないので今回は雌型になってから再度磨く事に。

気を取り直してひたすら砥いでいきます。

ショートフェンダー製作記その3

さて、作成した3Dデータを事前に打ち合わせをしておいた木型屋さんに渡してCNCで切削加工してもらいました。

加工にまつわる色々な制約とFRP成型時の抜き勾配を考慮した形状を織り込んであったので大きなトラブルもなく納品されました。

ただ、改めて立体になった姿を見てみるといくつか気になった点があったのでパテと削り込みで修正していきました。

そして、サフを吹いて磨き作業(結構手間がかかる)に突入しました。。

ショートフェンダー製作記その2

さて、もう少し製造しやすいように修正です。
自分で失敗しながらやるだけではなく、製品の貼りを他の人にお願いする場合もあるかもしれないので迷惑がかからぬよう。。

車体に乗せてだいたいのサイズ感やこの形状で譲れない部分ははっきりとしていたので、そのあたりの優先順位を考えながら作業。できるだけシンプルにしていきます。(フェンダーのくせに穴が開いているのも譲れないところ。。)

だいたいの構成と面の傾向が決まったら今回は3Dデータにすることにしました。

カラーを通してマウントされる外装部品なので手で測ったような精度でも充分です。寸法や断面形状などを綿密に測り、単体で撮影した写真と一緒に参考にしつつデータ化していきました。

これによるメリットはいくつかありますが、左右反転の手間と面出しをする手間がなくなるのは本業の合間に時間をつくってはせっせと進めている私にはありがたいです。

ただ、データ化していく中でいくつか手を入れたくなった所があってそこが実体になった時にどういう見え方をするかは画面だけでははかり知ることができないので、ちょっとドキドキ。

角Rもやはりフィレットではつかない所の方が多いので面の数は思っていたよりも増えました。面どうしの連続性をどうやってキープしていくかなかなか悩んだ箇所もありましたが、今回はマスターも自分で修正できるのでエイヤって進めました。

ショートフェンダー製作記その1

XT250Xとセロー250に装着できるショートフェンダーを造ろうと思い立ち、作業を始めたころの写真です。(2011年の夏前ごろだったでしょうか。。)
長いアップフェンダーの方がタイヤを覆う範囲が大きくて泥除け性能が高いのは確かなのですが、やっぱり機敏なバイクには見た目に軽快感が欲しいですよね。

最初は予備のフェンダーをマウント部分を残してカットし、先に接着した芯材の発砲ウレタンにインダストリアルクレイを盛り付けて造形していきました。

サムネイルスケッチも無数に描いていたのだけれど、ほとんどどこかに行ってしまったので見つかったらまたUPしようと思います。

車体に乗せた状態で肝心の長さ感や幅のイメージを固め、車体側のラインや面質に対してフィットするような造形を探っていきました。

しかしなかなかカッコよくできたと思ったのものの、FRPやその延長線上のウェットカーボンで造るには難しい形状だったので手直しが必要になってしまいました。
今見ると造形の練りも足りませんし。。

樹脂部品と言えば金型でインジェクション成形するPPやABSの経験ばかりだったので、まだまだ勉強が足りませんね。